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事業承継が上手くいく会社の特徴

事業承継は、難しいようで簡単、簡単なようで難しいものです。
健全な考え方に沿って事業承継を進めている会社にとってはさほど難しくないようですが、単純に節税の観点のみや数字を伸ばすことのみにフォーカスを当てていると失敗するケースが多いように感じております。
事業承継が上手くいく会社には、以下のような特徴があります。

【特徴①:相当期間をかけて準備をしている】
まず一つ目の特徴は、相当期間をかけて準備をしていることです。
事業承継が上手くいく会社は、準備にそれなりの時間をかけています。創業者が引退する1年~2年前からようやく着手する事業承継だと、準備不足から後継者が苦労するケースが多いです。
事業承継の検討は、現経営者が不在でも経営できる体制を検討する事でもあるため、結果として現経営者の手が空き次の一手を考える時間的余裕が出来ます。
「事業承継=引退」と考えている経営者の方が多いのが現状ですが、実は「事業承継=事業拡大戦略」という側面があることから、早期の事業承継検討はより堅固な会社を創るための検討でもあるのです。

【特徴②:創業者が地位に執着しない】
そして二つ目の特徴は、上記①ともかぶりますが、創業者が今いる社長という地位に執着していない事です。
創業者が地位に執着していると、事業承継が上手くいかないだけではなく、事業拡大を阻害する要因にもなります。「自分が居ないとこの会社は業務がうまく回らない」「従業員が頼りにならないから自分が業務をやっている」などが口癖になっていませんか?もしかしたら、その状況は「自分が必要とされている」という事を実感したいという考えが生み出しているのかもしれません。そして、その状況が事業拡大を阻害しているとしたら…?
実は、業績が拡大している会社の社長は、「ヒマな人」が多いのです。もちろん、ヒマだから何もしていないのではなく、ヒマな時間を活かして次の一手を考え続けています。その「ヒマな時間」を創出するために、ちゃんと従業員を育成し、従業員に業務を任せています。例えば、日本有数の研修会社であるアチーブメントの青木社長は、1か月の半分くらいの時間を軽井沢で過ごされているようです。そして、ずっと次の一手を考え続けていると言います。現場は既に幹部社員が表に立って回しています。

【特徴③:後継者が事業を継ぐことに納得している】
三つ目の特徴。それは後継者が事業を継ぐことに納得しているという事。
やはり、後継者が家業を継ぐことについて腹落ちせずに事業承継を実行した場合、その後に苦労することが多いです。統計は取っていないので定量的なデータはお示しできませんが、周りに相談できる人がいない孤独感、父親と比べられる劣等感などが原因でうつ病になってしまう後継者も少なくない印象を持っております。
事業承継をする前に、後継者の「在りたい姿」「仕事を通して実現したい事」を明確化・明文化して事業を継ぐことを心から納得してる状態を作ること、そしてその後継者の「在りたい姿」と創業者の精神を合わせる事が重要です。

【特徴④:かけるべきコストをかけている】
四つ目の特徴。それは事業承継・事業拡大の準備のために、必要なコストをかけている事。
例えば、上記のように現経営者のヒマな時間を創出するためには、後継者の育成や外注の活用、社員の作業効率が上がるための人材育成投資や設備投資が不可欠です。もちろん、ヒマな時間は経営者だけではなく後継者にとても従業員にとっても必要です。ヒマな時間があることで、後継者や従業員は「自分がどう在りたいか?」「自分の在りたい姿を仕事ではどのように実現するか?」を考えることが出来ます。後継者・社員の在りたい姿が固めることが出来れば、自ら仕事をやる後継者や社員が増えますので、結果として事業拡大につながります。
そのような施策に必要なコストをかけている会社は、多少の業績の変動はあっても強固な経営状態を保っている傾向にあります。

【特徴⑤:納税の対策をしている】
そして最後、五つ目の特徴は、後継者が会社の株式を贈与又は相続で受け取るときに会社のBSを傷めないように納税資金対策をしている事。
これは、税理士や金融機関などとしっかり相談の上で決めるのが良いでしょう。一つのところに頼り切るより、セカンドオピニオンも大切です。

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